良質なインド産御影石として知られている石材の1つが『M10』でした。
「でした」
と過去形の表現となりましたのは、実はここ1年ぐらいで品質が変わってしまったためです(2022年9月現在)。
「M10は一見すると黒御影石に見えますが、実は黒色と白色、薄緑色の模様が入った濃い目のグレー色です。石質は硬く、吸水率も低いので墓石に最適です。艶があり高級感があることから人気の石材の1つとなっています。」
と、当店でも推奨しておりましたが、ここ最近は品質が低下してしまい、経年劣化でスジやナデが出てしまう中国産石材と同様、非推奨の石材としております。そのため当店では現在は保証もお付けしておりません。
石材の品質が低下した理由は、M10が人気のインド石材ですのでかなりの量が採掘され、採掘層が品質の悪い層へ変わってしまったためと思われます。
インド産M10はグリーン系の模様も入っていますが分かりにくく、濃いめのグレー色に見えるのが特徴です。各石材店においてはよく『インドグリーン』と表記されていることが多いと思います。インド産の石材は墓石に適した優れた性質を持っているため、さまざまな種類が販売されていますが、M10は大きな形でも加工することができるので、大きめのデザイン墓や外柵にも対応することができる石材として重宝していました。もちろん和墓や洋型墓にも適した石材でした。
↓こちらはまだ品質が良いころの施工事例です。
M10は採掘量が安定しているため、リーズナブルな価格で販売されています。リーズナブルなのに質が良いとなれば人気となったのも当然です。当店でもM10は人気のインド産石材として、過去には多くのお客様にご購入いただいていました。長い年月を経ても劣化が少なく、耐久性に優れていたためです。
お墓を建てる場所とデザインが決まれば、次は石材選びとなる場合が多いです。石材を選ぶ上で最も重視されているのが価格帯と品質です。安い石材は吸水率が高く、お墓を建立して数年で劣化やヒビ、サビが出てしまうケースがあります。特に中国産の石材はそうしたものが多く注意が必要です。逆に高いからと言ってそれに比例して品質が上がるものでもありません。単純に希少価値が高いという場合もあるためです。国産の庵治石は品質ももちろん高いですが希少性という点でもプレミア価格の石材でしょう。
インド産M10は現在は非推奨としておりますが、代わりの石材としてバイオレットブルー、インパラブルー、新SR、M1-Hといった石材の人気が高くなっています。ご予算を優先しすぎて安価なものを選んでしまうと、後に後悔することになってしまうかもしれません。そういった点でこれらの石材は墓石店にとってはおすすめしやすい石材です。比較的リーズナブルなのに質が良く、長年綺麗な状態を保つことができるからです。墓石の価格は石材の種類と使用量が大きく影響します。そのためご予算を大きくオーバーしてしまった場合はなるべく品質を落とさず同じような色味の石材に変更したり、外柵の石材のみグレードを落として費用を調整されることが多いです。
石屋千鳥では、インド石材M10に近い色味にぴったりのデザイン墓石や洋風墓を多数ご用意しております。↓こちらは一例です。
他にも300種類以上の墓石デザインをWEBで公開しています。ご興味がある方は「石屋千鳥 総合墓石カタログサイト」をご覧くださいませ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。