石屋千鳥

全国のお墓シリーズ 沖縄編

沖縄のお墓

日本はとても小さな島国です。
アメリカや中国など諸外国に比べると国土面積が狭い事で知られています。
そのため、日本全国でお墓に違いがあるとは思えませんが、実際には各地域によってお墓に違いがあります。
その中で普段から目にしているお墓と全く違うと感じるのが沖縄県のお墓です。

沖縄県は日本の中でも独特の文化を形成してきた地です。
外国文化と日本の文化が上手く融合している沖縄のお墓は一体どのような特徴があるのでしょうか。

沖縄のお墓で最も多いのが『屋形墓』です。
屋形墓の歴史は古く、沖縄の王族が立てた墓を真似たのが始まりだと伝えられています。
王族の墓は破風墓という形ですが、屋形墓はそれに良く似て作られています。
沖縄にはあちこちに古墳のような建物が建っています。
それら全て沖縄のお墓だという事をご存知でしょうか。
それを見たことのある方は必ずしも「大きなお墓だな」と思ったはずです。
なぜ沖縄のお墓は大きいのか・・・それは「風葬」と呼ばれている供養方法があったためです。
それは、亡くなられた方の遺体をお墓の中に安置し風化するのを待ってから遺体をお墓から取り出します。
お骨になった遺体を海水でよく洗ってから再度お墓に納骨するものです。
この風葬を行うにあたり小さなお墓では不可能なため、大きなお墓が建てられたというわけです。
もちろん、現在は風葬は行われていません。
そのため、当時のお墓に比べるととても小さくなっています。
現在沖縄のお墓である屋形墓は屋根に高さがないのが特徴です。
小さなお社のような形を想像して頂ければ良いと思います。

沖縄にはもう一つ、歴史あるお墓の形があります。

それが『亀甲墓』です。
17世紀後半より建てられ始めたと伝えられています。
お墓の屋根部分が亀の甲羅に似ていることから亀甲墓と名づけられました。
この亀甲墓も非常に大きなお墓です。
なぜなら、破風墓同様、風葬を行うために大きく作られたようです。
古い時代の亀甲墓はとても大きなものなのですが、戦後に作られたものは小型化しており、現在も地域によって亀甲墓が建てられているようです。