世界のお墓(風習や供養の仕方)

日本のお墓は仏式のものが大半ですが、世界を見るとさまざまなお墓のかたちがあります。
国が変わればお墓も違うのは当然です。

ところで、日本にはお彼岸やお盆がありますよね。
お彼岸やお盆はお墓参りに訪れる時期であるのは日本人なら誰もが知っているでしょう。
ただお彼岸やお盆は日本ならではの風習であり、他の国にはありません。
しかし他の国にも、お彼岸やお盆と同じような意味合いの風習や故人を供養する別の仕方があります。
そこでここでは世界でも代表的なキリスト教とイスラム教のお墓や風習、そして供養の仕方を紹介して行きます。

①キリスト教

日本では1つのお墓に何人も入るのが普通となっていますが、キリスト教では1人に1つのお墓が基本です。
墓石の形などに一切決まりがないため自由に建てることができるためオリジナリティ溢れるものも多いようです。
ただ、キリスト教と聞くと多くの方がイメージするのは芝生に低いシンプルな白い洋型墓石ではないでしょうか。
また、墓石ではかく十字架を建てているお墓もよく見られます。

キリスト教の場合『お墓=故人の供養』という考えは当てはまりません。
神に感謝したり、故人を懐かしむ記念碑的なものと考えられています。
日本では墓石に故人の名前や家名、家紋を刻むのが一般的ですが、キリスト教にはその文字に決まりがないため、生前、故人が好きだった言葉などを刻むのが当たり前になっています。

キリスト教徒は世界各国にいらっしゃいます。
そのため、同じキリスト教でも国によって多少の違いがあるようです。
キリスト教では以前、遺体を火葬せずそのまま土葬するのが風習でしたが、最近では火葬する地域が増えてきました。

キリスト教における供養として代表的な行事が『ハロウィーン』です。
そしてイエス・キリストの命日を昇天祭、キリストの産みの母であるマリア様の命日を被昇天祭とし祈りを捧げます。
ただ、ハロウィーンにしても昇天祭・被昇天祭にしても1人の故人ではなく、神に祈るのが通常となっています。

②イスラム教

イスラム教の神は『アッラー』と呼ばれています。
アッラーとはアラビア語で『神』という意味でありイエス・キリストのように特定の人物を指しているものではありません。
イスラム教はやはり火葬せずに土葬するのが通常です。

イスラム教のお墓は皆同じ向きに建っています。
礼拝の向きを重要視するイスラム教ですから、同じ向きにお墓を建てるのは何ら不思議ではありません。
イスラム教の中には遊牧民もおり、その場合は墓石も用意せずただ埋葬するだけというケースも多いようです。
イスラム教が一番大切にしているのが『土葬』です。だから墓石にこだわりがないのも頷けます。