墓石の価格と質を両立!賢く費用を抑える極意

価格と品質のバランス

「お墓選びはデザインと品質にこだわりたい。でも、費用面でどう折り合いをつけようか…。」そんなお悩みはありませんか?

樹木葬や納骨堂など新しい選択肢も増えたとはいえ、やはりご先祖様やご家族との繋がりを重視し、しっかりとしたお墓を建てたいとお考えの方も多いことでしょう。

「永く美しく残る墓石を建てたい」

「高品質で希望のデザインと耐久性を備えたい」

「賢く費用を抑えられる方法も知りたい」

このような“質と価格のバランス”を求める方へ、本記事では、墓石の総額を抑えながらも品質を維持するための手法を網羅的にお伝えします。

読み進めていただければ、数十万円単位の価格調整も実現可能でしょう。

「一定以上のグレードを保ちつつ、適正価格で建立する」ためのヒントとなるはずです。


1. 基礎知識 墓石に必要な全費用

墓石建立には大きく分けて、初期費用ランニング費用があります。初期費用は墓石本体や工事費用、永代使用料など、一度きりの支払いです。ランニング費用は管理費など、毎月や毎年継続的に発生する費用です。

下記の表は、それら費用の一覧です。まずは全体を把握し、ご自身がどこに重点を置くべきか考えることが、費用最適化の第一歩です。

項目必須費用区分
【墓石】
墓石本体初期
装飾(ガラスなど)初期
墓誌初期
外柵初期
物置台・ベンチ初期
塔婆立て初期
地蔵初期
灯籠初期
貼石(床面)初期
砂利初期
【工事】
基礎工事初期
据付工事初期
地盤調査初期
古墓撤去初期
耐震・免震施工初期
特別運搬費初期
【墓地】
永代使用料初期
墓所管理費ランニング
【設計】
基本設計初期
オリジナルデザイン設計初期

最低限必要な項目は、墓石本体・基礎工事・据付工事・墓地の永代使用料の4つです。面積が小さい墓所なら、この基本的な要素だけでコンパクトにまとめることもできます。

ここから、より質を落とさずに費用を調整する具体的な手法を

「王道編」「裏技編」

の2部に分けて解説します。


価格最適化の王道編

2. 墓石価格の最適化【王道編】

ここでは、価格を最適化するための王道的な方法を紹介します。あくまで品質やデザイン性を損なわないことを目指しています。

2-1. 石材量の最適化

墓石の価格を左右する大きな要素は「使用する石材の量」です。つまり、全体ボリュームを抑えつつも存在感や品格を保てるデザインにすれば、コスト面でも有利に働きます。

↓以下はお墓を構成するパーツと価格への影響度合いを表しています。

パーツ価格への影響度
1墓石本体(竿石、土台)
2墓誌
3外柵
4物置台・ベンチ
5塔婆立
6地蔵
7灯籠
8貼石(床面)

特に外柵や床面(貼石)は、全体費用に与える影響が比較的大きいです。もし、少し価格を調整されたい場合、外柵を少し短くする、床面の貼石のグレードを落としたり一部砂利へ変える調整は効果的です。

墓石の価格を安くする外柵カット

しかし、外柵や貼石を安易に無くすことはおすすめしません。特に外柵はお墓の品格や印象の影響も大きいためです。そのため、最初から外柵が無いデザインを選ぶことで、「美しさ」と「適正価格」のバランスを確保することも可能です。

外柵の無く墓石価格が抑えられる墓石デザイン

しかし、デザインやサイズ感はイメージしにくいもの。

そこで、大きさを実感できる3つの方法をご紹介します。

① 墓石展示場で現物を確認する

墓石店(石材店)に行って展示品を直接見ることができます。
ただ、ほとんどが受注生産ですから、和墓以外は探すこと自体が簡単ではありませんし、サイズも求めているサイズが無いかもしれません。

② 霊園で現物を確認する

既に建立実績のあるデザインなら、実物を見に行くことができます。ネットで気になる墓石を見つけたら、それを建てた墓石店に依頼して場所を聞いてみましょう。全く同じではなくとも参考にはなるでしょう。

③ 仮想現実空間で確認する

バーチャルリアリティで確認する最先端の方法です。VRゴーグルを装着することで、まるで墓石が目の前に建っているかのように確認することができます。大きさや角度も自由に変更することができ、店舗だけでなくご自宅でも簡単に閲覧できるのが他に無いメリットです。

実物大のイメージを得ることで、後悔の少ない最終判断が可能になります。

2-2. 石材産地・品質の選定

墓石の石材の種類

石材の価格が高いほど品質も高い、そう思われていませんか?
確かに高価な石材の品質は良いものが多い、これは間違いありません。しかし価格に大きく影響するのは実は生産量とブランド産地です。

↓以下の有名な4種の白御影石で比較してみましょう

石材産地価格例産出量吸水率経年劣化
G623中国45万円非常に多い0.186%やや弱い
アーバングレーインド70万円非常に多い0.056%強い
真壁石(小目)日本100万円多い0.233%強い
庵治石(細目)日本250万円非常に少ない0.15%強い

G623は豊富で最もリーズナブルな石材です。建築材としてもよく利用されますが、耐久性は国産やインド産と比べると劣ります。アーバングレーは豊富で吸水率も低いコスパ良い石材です。真壁石は茨城県産で特に関東で多く使われている国産御影石です。庵治石(あじいし)は香川県産で御影石のダイヤと称される最高級の国産御影石です。

いかがでしょう? その最大価格差、

5.5倍

です。確かに庵治石は美しくて硬度も高く風化にも強い、申しぶんの無い石材ですが、庵治石がこれほど高価である理由は、採石した原石の中で墓石として使える部分がわずか3~5%しか無いためです。

中でも斑(ふ)と呼ばれる模様があるものはさらに高級とされていますが、なんと全体の1%とも。こうして墓石として使える石が出てくるまで切って割ってを繰り返す、これが高価になる要因なのです。いい加減なものは市場に出さない、徹底したこだわりには敬服しますね。

「じゃあ、一番安い中国産のG623でいいか」

そう思われるかもしれません。

ちょっと待ってください。

中国産石材は経年により、サビ、ナデ、スジ、といった劣化が高い確率で生じてくるリスクがあります。そのため、メーカー保証がついていないこともあるのです。

中国産石材のサビ
中国産石材の劣化例

それでも外柵や床の貼石にリーズナブルなG623を使い、石塔や墓誌にはより高品質な石材を使い、価格と品質のバランスを取る方もいらっしゃいますが、もちろんそうしたリスクを承知されてのことです。

黒御影石も同じ?

はい、やはり石種により価格差があります。

石材産地価格例産出量吸水率経年劣化
G654中国60万円多い0.2~0.6%やや弱い
MUインド90万円多い0.021%強い
クンナムインド120万円非常に少ない0.011%非常に強い

黒御影石の中ではインド産クンナムが最高級とされていますが、近年産出量が非常に少なく、高価となりました。代わりによく利用されるのがインド産MUです。産出量も豊富で石の質も安定しており、サビや傷が出ない石材です。G654はリーズナブルですが吸水率が高く、経年でナデ(スジ)や変色が見られます。

石材の種類は多く、その数300種類とも言われています。また、同じ種類の石材でもさらに品質を細かくランク分けされており、選定は素人では非常に困難です。そのため、豊富な実績がある墓石店に相談していくつかのパターンを提案してもらいましょう。

「中国産石材を避け、インド産や国産を基本に選択する」

これは「品質と価格の最適化」につながる1つの有力な方向性と言えるでしょう。


あなたは合理派?絆重視派?

墓石の石材選びは、人の価値観でさまざまな意見が交錯します。石材の質に全くこだわらない人がいる一方で、高品質にこだわる人もいます。

石材にこだわらない人々は、

「死後のことにお金をかけるより今の生活が重要」
「故人を偲ぶ心が大切で石材の質は無関係」

と言います。どのような墓石でも心を込めて手を合わせれば気持ちは伝わり、それ以上の付加価値は不要である、という合理派です。

一方、石材にこだわる人々は、

「墓は家族の歴史や絆の象徴で、永く維持したい」
「ご先祖を敬い、子孫の誇りと力になる」

と言います。単なる物理的な選択ではなく、ご先祖と子孫の絆を保つ大切な象徴、という絆重視派です。

これらに正解はありません。ただ、大切なのは心を込めた選択だと思います。お墓は第2の家、故人様の上に乗る石を安いからという理由だけで決めることだけはおすすめしません。大切なのは、墓石を建てる理由、存在意義、そしてお参りされる方へのメッセージを熟考いただき、

「ご自身の気持ちを表現できる選択」

をされることが最もご満足の結果を生むのではないでしょうか。


閑話休題、本題に戻りましょう。

2-3. 墓地面積の最適化

霊園墓地 公営墓地

広大な敷地は確かに荘厳ですが、その分石材量、永代使用料、管理費が上がりがちです。必要以上に広い土地を選ぶより、将来的な納骨数やお参りのしやすさなどを考慮して「ちょうど良いサイズ」を見極めることで、総費用は適正化できます。

では、墓地の適切な面積はどうやって決めるのでしょうか?

関東の場合

1つの目安としては、骨壺の数があります。1つの骨壺を収めるのに必要な面積は0.2~0.5㎡ですので、それを元にすると以下のようになります。

骨壺数墓地面積分類
1~21~2㎡小型墓、個人墓
3~52~4㎡家族墓、標準デザイン
6~4㎡~大型墓
9~6㎡~大型墓

関西の場合

関西では骨壺ではなく、さらし袋に御遺骨を入れてお墓に納めます。そのため実質いくらでも納骨できますので、敷地の面積はお好みとなります。

あとは、地域性、宗派、清掃負担、ご予算、立地性、希望デザインを加味してご検討いただくのが一般的です。

でも、すでに墓地は決まっている、そんな方は墓石を敷地いっぱいに建てずに、一部分だけに建てることもできます。また、敷地は狭いけど骨壺が多い、そんな方はカロート(納骨室)を深く掘ることで対応することもできます。

すでに広い区画をお持ちの方でも、敷地すべてを石で覆わず、一部玉砂利にすることでオシャレ感も演出できます。

また、敷地は小さいけれど骨壺が多い、そんな時はカロート(納骨室)を深く掘ることで対応することもできます。

2-4. 公営墓地の活用と指定石材店制度の確認

墓地は公営墓地、民営墓地、寺院墓地の3つがあります。先祖代々からある共同墓地は公営に含まれます。その中でも公営墓地は最も費用が安くなる傾向があります。

↓それぞれの特徴を一覧にしてみました。

公営墓地民営墓地寺院墓地
使用料・管理料
経営
墓石デザイン制約
指定石材店
抽選競争率
利用許可条件
宗教制約
設備
維持管理
手厚い供養

ここでご注意いただきたいのが、

「指定石材店」

です。民営墓地と寺院墓地には、指定の墓石店以外ではお墓を買えない、という「指定石材店制度」が存在することがあります。その場合、自由な価格競争が働きにくく、割高になるケースも。事前の確認は必須です。

↓そして、もちろんどの墓地にもメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
公営墓地宗派不問で利用しやすい。費用が安い。石材店を自由に選べる。自治体運営で安心。居住地や遺骨の有無など条件がある。募集が不定期で抽選が多い。立地が不便な場合あり。形状や大きさに制限。
民営墓地宗派不問で条件が緩やか。手続きが簡単。お墓のデザインが自由。施設が充実。指定石材店のみ利用可能。費用が高め。運営安定性に不安がある場合も。
寺院墓地僧侶が常駐し、供養や法要に対応。落ち着いた雰囲気。交通の便が良い。宗派の制約があり、改宗が必要な場合も。檀家として寄付や活動が求められることがある。墓の自由度が低い。

公営墓地はほとんどの場合、公募期間が決まっており、それも2~6週間程度です。抽選を逃さないためにも、すぐに役場で確認することをおすすめします。例えば東京都立八王子霊園の2024年公募日は6/14~7/5、抽選日が8/16、結果通知が9/2以降、そのようなスケジュール感でした。

そして立地の確認もお忘れなく。郊外の方がお安くなる傾向がありますが、遠すぎてもたいへんです。候補を絞ってぜひ一度は足を運んでみてください。許可条件、信頼性、立地、設備など総合的に検討し、「自由度が高く、適正価格を確保できる」選択をしましょう。

2-5. 石材の流通経路確認でコストダウン

石材を卸売業者を介さず直接工場から仕入れている墓石店を選ぶと、品質・価格両面で有利な提案が期待できます。卸売業者など中間業者の中間マージンが乗らないためです。そのような墓石店は、ホームページのどこかにそのことを掲載しているでしょう。


価格最適化の裏技編

3. 墓石価格の最適化【裏技編】

ここからは、他ではあまり語られない、さらに一歩踏み込んだテクニックをご紹介します。いずれもハイエンド志向の方が、より「賢い買い方」を模索する際に役立つものです。

3-1. 非公開キャンペーンの活用

墓石店によっては、表立った「セール」はしないものの、お客様のご協力(インタビュー提供、写真掲載許可など)を条件に石材グレードアップや割引を提供している場合があります。遠慮せず、

「何かキャンペーンはありませんか?」

と聞いてみましょう。墓石選びにはそぐわないように感じるかもしれませんが、こうした相互協力は石材店側も歓迎することがあります。

3-2. 部分的なセルフワーク

建設関係の知識や技術がある方は、一部の工程を自分で行うことでコストカットが可能です。もちろん、基本的にはプロの仕事が安心ですが、例えば基礎工事をご自身でされる方もいらっしゃいます。

お墓の基礎工事

こだわりと知識がある方は検討されても良いでしょう。

3-3. 紹介サービス経由を避け、墓石店に直接交渉

墓石の一括見積サイトや紹介サービスは便利な反面、紹介手数料が価格に上乗せされる可能性があります。紹介手数料は墓石店からしますと広告経費だからです。

墓石店紹介サービスの仕組み

そのため、信頼できる墓石店を自分でリサーチし、直接見積もり依頼をすれば、その分コストを省けます。特に墓石の総額が大きいほど、その差は小さくないでしょう。

3-4. DIY専用墓石の活用

近年、小型化されたパーツを組み立てる「DIY墓石」も存在します。フルオーダーの重厚な墓石とは別ジャンルですが、一部をセルフビルドすることでコストを削減できます。

自分で建てるDIY墓石 EQ墓(エクボ)
画像 : 自分で建てる墓 EQ墓(エクボ)

ただし高品質な墓石を求めるなら、この選択はあくまで特殊ケースでしょう。

3-5. 明確な予算提示による交渉

最後に、色々検討したがどうしても希望予算に合わない…
そんなときは、墓石店にこう相談してみましょう。

「私たちの予算は◯◯円なので、この価格に合うような提案をしてもらえないでしょうか」

誠実な墓石店なら可能な限り提案を練り出してくれるはずです。予算を伝えると足元を見られるのでは?と心配される方もいるかもしれませんが、そのご心配はご無用です。購入者は相見積をされますので、不当に高ければその墓石店に発注されることはありません。各社差はありますが、その墓石店での適正価格が提示されるはずです。

しかし、それでも納得できる案が出ない場合、ご予算見直しやローン活用の検討に進むことになるでしょう。


4. まとめ

墓石は買い替えのできない大きな買い物です。ここまでご紹介した方法を活用すれば、過度な妥協なく、より望ましい条件でお墓を建立できる可能性が高まります。

↓以下にポイントをもう一度おさらいします。

【王道編】
石材量やデザインバランスを吟味する
コスパの高い石材を厳選する
必要以上に広い墓地を選ばない
公営墓地を優先的に検討する
指定石材店制度の無い墓地を検討する
工場直販等で仕入コストの低い墓石店を選ぶ
【裏技編】
非公開のキャンペーンが無いか尋ねる
一部作業をセルフで行う(可能な場合)
一括見積りサイトや紹介サービスを通さず直接交渉する
墓石を自分で建てる
希望予算をはっきり伝え、交渉する

これらの方法の多くは、どの墓石店でも通用するはずです。
もちろん当店、石屋千鳥もこうしたご相談お受けし、お客様のご満足度向上のため喜んでご対応しています。

また、以下のような独自の取り組みも行っています。

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※1 但し中国産石材は保証外です。

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