お墓を建てた後で、地盤が弱くて墓石が傾いてしまうのでは?
そんなご心配もありますよね。特に地震大国日本ではなおさらです。
ほとんどのケースではそのようなご心配はご無用ですが、大きなお墓の場合、念の為に地盤調査も行うことがあります。
今回そんな事例をご紹介いたします。
墓地の広さは幅2.4m✕奥行2.6m=6.24㎡です。
ここに墓石本体の重量が約5.6トン、基礎コンクリートが約5.9トン、合計11.5トンという荷重がかかります。
そのため、総重量11.5トン/敷地6.24㎡≒1.84トン/㎡が必要な地耐力となります。
この重量は力の単位のN(ニュートン)で表すのが一般的ですので、Nで表すと必要地耐力は18.5kN/㎡となります。
1Nは100gのものを手のひらに置いたときに感じる力と思っていただけたらOKです。18.5kN/㎡ は手のひらに約28kgの重量といった感じです。
↓そこで登場するのがこちらの機械です。
スウェーデン式サウンディング試験器です。
この機械を使って鋼鉄の棒を地面に突き刺して地盤の頑丈さを測定します。
↓以下は仕組みをシンプルにした図です。
棒に付けられたオモリの重さで棒が何センチ沈むか。沈まなければ棒を回転させ、何回転で何センチ沈むかを測定します。より固い地盤ならば、オモリの重さで大きく沈むこともありませんし、掘り進める回転数もより多く必要となるわけです。オモリは10kgとか25kgを複数使います。
↓そして1m掘って出た結果がこちら
この結果によると、1m掘って最低でも49.2kN/㎡の長期許容応力度があると出ました。
必要な地耐力は18.5kN/㎡ でしたから、2.6倍以上の地耐力があるということです。
↓また、棒が1kN(約100kg)の重さで自沈してしまったのは表層の14センチまででした。横軸の0より左の範囲(赤)が自沈した部分です。地中内でこの赤範囲がある場合は何かしらの地盤改良の検討が必要です。
しかし、今回表層の部分はそぎ取り、基礎コンクリートが入りますので、地盤改良しなくても、十分な地耐力のある墓地であることが確認できました。
これでお客様にも自信をもって安全性をお伝えできますし、お客様もより安心していただくことができるでしょう。
石屋千鳥では墓石の耐震免震施工に力を入れています。
地震に強いお墓をお求めなら、ぜひ石屋千鳥へご相談ください。