お墓参りはご先祖様に感謝を伝える、故人を供養するといった重要な意味を持つものです。
ご家族のお墓参りに行くこともあれば、友人や知人のお墓参りに行くこともあるでしょう。
お墓参りの時期は一般的にお彼岸、お盆、正月、故人の命日、年忌法要などです。
お彼岸は春分・秋分の日を中日として一週間です。
3月の春分の日と9月の秋分の日はあの世とこの世が通じやすい日と言われています。
お彼岸に先祖の供養をするのは日本ならではの風習です。
お盆は7月と8月の13日~16日までの4日間です。
地域によって7月盆と8月盆に分かれています。
ご先祖様の霊を呼び寄せて供養するのがお盆です。
そして故人の命日。
故人がお亡くなりになられた日を祥月命日と言います。
また、月命日との言葉を聞いたことはありますか。
例えば3月5日にお亡くなりになられた場合、3月5日が祥月命日になりますが、毎月5日が月命日となります。
祥月命日はご家族がお墓参りをされる日ですが、月命日にもお墓参りをすることもよくあります。
他にも、結婚が決まった時、子供が誕生した時、就職が決まった時など人生の節目にお墓参りをされる方もいらっしゃいます。
ご先祖様やお亡くなりになられたご家族に報告と感謝を伝えたり、供養するためのお墓参りはこれからも日本人の風習として受け継がれて行くものだと言えるでしょう。
お墓参りに最適な時間や避けなくてはならない時間帯は特別ありませんが、日が暮れる前に行くのが好ましいでしょう。
ただ、夕方や夜しか時間がないため、暗くなってからお墓参りに行く方もいらっしゃいます。
基本的に霊園や寺院墓地には街灯の設置がほぼないので、足元に気をつけてお参りするようにしましょう。
そんなお墓参りには特別な作法はありません。
しかし、基本的な手順や心得は知っておく必要があると思います。
そこで、ここではお墓参りをするときに気をつけておくべきマナーを紹介して行きたいと思います。
年忌法要以外のお墓参りの場合は、基本的に何を着ても大丈夫です。
ただ、お墓という場所柄、あまり派手な色の服などは避けた方が無難です。
できればシックな服装やなるべくきちんとした身支度でお墓参りに行くことをおすすめします。
お墓参りに行く際の持ち物が以下になります。
ひしゃくや手桶は霊園や陣に備えられていることが多いので、自宅から持って行く必要はありません。
タワシやほうきといった掃除用具も備えられているところもありますが、自宅から持って行った方が無難です。
寺院墓地の場合、まずは本堂のご本尊をお参りしましょう。
もしご住職がいらっしゃったら挨拶を忘れずにしましょう。
管理事務所などで手桶とひしゃくを借りたら、手桶に水を汲みましょう。
お墓に着いたら、合掌礼拝をし、お墓の掃除をおこないます。
タワシなどで墓石を綺麗に磨いたら、ゴミや枯れ葉をホウキで掃きだします。
お墓が綺麗になったら、花立に水を入れて持ってきた生花を飾りましょう。
次ぎに半紙を敷いた上に持ってきたお供え物を置きます。
そしてお線香に火をつけて線香皿に寝かせてから、墓石にたっぷりと水をかけ、正面に向かって合掌します。
お墓参りにも注意しなくてはならないことがあります。
それは主にお供え物に関してです。
間違ったお供え方をしてしまうことで、お墓を汚してしまうことも考えられます。
特に注意したいのが、故人が生前好きだったとの理由で、お供え物を直接お墓にかけてしまうことです。
その代表が「お酒」です。
日本酒やビールなど故人が生前好きだったアルコールをお墓に直接かけてしまうことで、墓石が変色してしまう恐れがあります。
かけてすぐに変色するのではなく、数日後に変色することが多いものです。
アルコールをお墓にかける行為は絶対に止めるようにしましょう。
缶ジュース、缶ビールなどを墓石の上に直接置いて行ってしまう方がいらっしゃると思います。
缶にはアルミ缶とスチール缶があると思いますが、どちらも置いて行ってしまうのはよくありません。
アルミ缶は墓石の上に跡が出来てしまい、スチール缶はサビがしみ込んでしまいます。
缶ジュースや缶ビールをお墓にお供えする際は、半紙の上に置くこと、そしてお墓参りが終わったらそれを持ち帰るようにしましょう。
食べ物も同じです。
果物やお菓子をそのまま置いて行ってしまう方がいらっしゃいます。
食べ物はカラスや鳥に食い散らかされてしまうので、お墓が汚れてしまいます。
お供え物は必ず持ち帰る事を忘れずにしてください。
また、お墓参りでよくあるのが、他のお墓の敷地内に入ってしまうことです。
隣に建っているお墓の外柵や塀に物を置いたり、大人数で行ったために足を踏み入れてしまうことのないように気をつけましょう。
「周りの人を不快にしない」のがお墓参りの最低限のマナーです。
周囲に迷惑をかけない、他人に迷惑をかけない、故人の顔に泥を塗らないことを心がけてお墓参りをしましょう。