国産石材として有名な「大島石」と色や石目が似ていることから新中国大島石とも呼ばれているのが「新AG98」です。
国産の大島石は非常に人気があるのですが、値段が少々高いため、見た目の似ている新AG98が選ばれているようです。
中国福建省沿岸部中域で採掘されている新AG98は、これまで中国石材として主流商品でしたが、
最近ではキズや白玉・黒玉が多い質の悪いものしか採掘されなくなっているため、良質なものが少ないようです。
新AG98は中国石材の中では比較的硬質なのですが、吸水率が高いため石の中に水がたまってしまいます。
石の中にたまった水は色落ちや艶落ち、サビやひび割れの原因となります。
基本的に雨風を直接受けるのが墓石です。
そのため、吸水率が高い石材は通常不向きとされているにも関わらず、中国石材で原価が安いため日本の業者が輸入しているのです。
加工すれば、見た目は国産石材と同じにしか見えません。
しかし、その耐久性は国産石材をはるかに下回るものであることは確かです。
先程述べたように、国産石材「大島石」に似ているため、中には大島石として販売している業者もいます。
それに販売店によって名前が異なるため、一見新AG98とは分かり難いと思います。
新AG98は、墓石だけでなく石塔や外柵にも良く使用されています。
明るいグレー色であるため、和風の建物にマッチします。
とても安価な価格であるため、さまざまな物に加工されているのでしょう。
本物の国産「大島石」は、決して色褪せることがありません。
色褪せるどころか、年月を重ねるごとに青味が強く感じられるようになるとても不思議な石です。
徐々に深みを増すのは大島石の大きな特徴です。
こういった経年劣化をせずに深みが増して行く石材が墓石として最適です。
しかし、最近ではお墓を建ててから数年で色褪せや劣化のトラブルが多い中国石が多く出回っています。
大島石として新AG98を販売していても、素人目では本物か偽者か分からないのが現状です。