全国のお墓シリーズ 北海道編

北海道のお墓

お墓は地域性が強いため、地域によってさまざまな違いが見られます。 形はもちろんの事、好まれる石材の種類にも違いがあるようです。 例えば関東では白っぽい石である白御影石が人気です。 関西では青御影石、そして東北では黒っぽい石が良く選ばれています。

では北海道ではどうでしょうか。

北海道はどちらかと言うと個性あるお墓が好まれる傾向にあり、お墓らしいものよりも比較的新しいデザインのものが選ばれています。 確かに以前は和型が多かったようなのですが、最近では洋型墓が人気のようです。 北海道はとても広大な土地であるため、墓地や霊園も他の地域に比べると大きいことが分かります。 そのため、洋型墓でも結構大きなものが建っています。

北海道の歴史を語る上で欠かすことができないのが『アイヌ人』の存在です。 アイヌ人の昔のお墓には「クワ」と呼ばれる墓標が建っています。 クワは別名「杖」であり、亡くなられた方がご先祖様のもとへ迷わずにたどり着くことができるようにとの意味が込められています。 クワには家紋や文字が刻まれています。 そんなアイヌ人は死者を埋葬した後にお墓参りをする習慣がありませんでした。 お墓を訪れることであの世へ向かっている死者の気持ちを惑わせてしまうというのが理由です。 今ではアイヌ出身の方も数多く仏教徒となっているため、墓石で作られた一般的なお墓を建てているようです。

昭和30年代の北海道では、札幌市石山地区で採掘される札幌軟石を使ったお墓が最も多かったようです。 それ以前には土葬をした上に木などでお墓と言うことが分かるようにするなど原始的なお墓が多かったと言われています。 それは、北海道の方々にはお墓を建てるという習慣が薄かったためだと伝えられています。

現在の北海道で人気が高いのが白御影石を使用したお墓です。 北海道だからと言って特別な形があるわけではなく、あくまで一般的な見慣れたお墓ばかりです。 北海道らしいと言えば、やはり墓地や霊園の広さです。 それに見合った比較的大きなお墓が建ち並んでいるのが特徴と言えるのではないでしょうか。