お墓の作りは全国的に特段変わりはないのに、地域によって納骨方法に違いがあることをご存知でしょうか。
ここでは関東と関西の火葬場での集骨方法の違いと納骨方法の違いを説明していきます。
まずは集骨方法。
実は関東と関西では火葬場での集骨方法に違いがあります。関東では拾うことのできるお骨全てを骨壷に入れる『全骨集骨』なのですが、関西ではのどぼとけを中心に骨壷に入れる『部分集骨』です。そのため、関東と関西では骨壷の大きさが違います。全骨集骨を行う関東の骨壷は7寸径(直径21cm)で部分集骨を行う関西の骨壷は3寸(直径12cm)ほどです。
ところで、関西の集骨方法に関して一つ疑問に思いませんか?骨壷に入れなかったお骨はどうするのか、と言うこと。実は関西では骨壷に入れなかった残りのお骨を火葬場で供養してもらう事になっています。同じ日本なのにそんなにも違いがあるのです。
次に納骨方法の違いについて。
関東では納骨室に人がもぐって納骨するのですが、関西はお墓の一部をずらし、出来た隙間から骨壷を入れるのが一般的です。関東のお墓と関西のお墓は、一見全く同じように見えますが、実は納骨室の大きさや位置に違いがあるのです。関東の骨壷は7寸あるため、ある程度大きくしなければ永代に渡って使用することができなくなってしまいます。そのため、地下に納骨室を作ると共に、1段ではなく2段になっていることが多いと言えるでしょう。関西の納骨室は関東の約3分の1程度の広さしかありません。骨壷の大きさが3寸ですから、それほど大きな納骨室を必要としません。納骨室は地下ではなく、丁度お石塔の真下にあります。
関東、関西どちらの納骨方法が良いかと言えば、関西の方が合理的で便利だと言えるのではないでしょうか。関東では納骨をする際にわざわざ納骨室に人がもぐらなくてはなりませんので、少し手間がかかります。その点、関西はお墓の一部をずらしただけで納骨することができるので便利なのではないかと思います。全国的に見ても、圧倒的に関西タイプの納骨室が多いようです。ただ、地域には地域の「慣習」があるので、その地域の風習に習ってお墓を建てるのが一番良いと言えるでしょう。